金剛屑石

アマチュアシンガー・ライター・絵本パフォーマー「金色の女将」の徒然なブログ。絵本についてはこちらに特化したブログあり。http://blog.livedoor.jp/sophia727/

「ハルとナツ」についてあれこれ


橋田寿賀子はよくよく考えたら戦中派だなあ。。
アニメ・特撮界にはモロ戦中派は上原先生や西崎やらトミノやらいて、だからこそ「戦争」を描くのがリアルだったんじゃないかなあと思う今日このごろ。
もちろん、一般のドラマや映画のクリエイターにもいると思いますよ。早坂暁さんとか……
でも明らかにフィクション中のフィクションといえる特撮・SFの世界だからこそ戦争について自分の思うことを作中に表現できるんじゃないだろうか……。
女性の戦中派脚本家って橋田さんくらいのような気がする。


橋田さんは以前朝ドラ「春よ、来い」で「原爆と真珠湾」はフィフティ・フィフティ、喧嘩両成敗だとキャラに言わせて非難囂々だったことがあったけど、今回はその経験をふまえてか、原爆についてはそこまで深く言及しなかった。
でも、女性の視点での太平洋戦争を描いてくれるライターは今では橋田先生しかいないと思えば、かたりついでいくためには自分の心の中にあるものについての多少の妥協もやむをえないのかもしれない。


不謹慎な発言だけど、「真珠湾がなければ原爆もなかった」と思っている人は意外といるのではないだろうか…実際に戦中を過ごしたわけでもない、原爆の被害にあったわけではないから無責任なことを言っているのはわかってる。被害に遭われた方にはお気の毒だと思う。アメリカ、連合国の被害車というより、戦争の、当時の国政の被害者であると思う。ハルとナツも元気でいるけれど、彼女たちも被害者なんじゃないかと。


私の母は満州帰り。小さいときから満州での苦労話を聞かされてきた。
移住させるためには当時の政府はいいことを言っていたらしい。
でも実際の満州は…常夏・奄美大島で生まれ育った母。その落差を目の当たりにしたショックは私でさえもある程度の想像はつく……。
満州関係はなかにし礼さんが「赤い月」で描いていて、だいたい母の話と似たような感じ。
満州もブラジルも原爆も、当時の国政の被害者だよな……


今の、私と息子1号の年齢差と、私と母の年齢差は同じ。28年違い。
1号に「ママの中学のときはねえ〜」などと30年前のことを話すこともよくあるけど、私が中学のときの母の思い出話は満州で苦労したことばかりだった。同じ「親の30年前」でもこんなに違うものか……。
太平の世の中で自由を享受できるシアワセ。こんなゼイタクなことがありましょうか……。
……と「ハルとナツ」を見ていたらこーゆーことを思ったりしました。
シャイダーの最終回でも、上原先生はギャバンにこういわせてたっけ。
「平和はありがたい。誰でも好きなことが自由にできる」ってね。
だからやっぱり橋田さんにもこれからも戦中戦後のことを書いて、戦争を知らない世代に語り継いでほしいです……。


……ああ、なんか私らしくもない固めの文をかいてしまった。
今が夜明け前だからかしら……朝ご飯の準備でもしよっと(早めに目が覚めたらしい(爆))